トップ > ブログ > 医療 > 【医療経営】診察予約キャンセル料、厚労省通知訂正で「選定療養」に限定! 誤解と正しい対応を徹底解説
更新日:2026年9月7日 / 医療
秋の気配が感じられる頃となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
医療機関の皆様にとって、診察予約のキャンセルは、機会損失だけでなく、他の患者様をお待たせしてしまう原因にもなり得る、常に頭を悩ませる問題の一つかと存じます。
そんな中、2026年3月に厚生労働省から発出された通知により、「診察予約のキャンセル料徴収」に関する新たな動きが示され、一部で大きな注目を集めました。しかし、その内容が一般の保険診療にも適用されるかのような拡大解釈も広がり、現場に混乱が生じる事態となりました。
本日は、この一連の動きを整理し、厚生労働省からの疑義解釈や大臣会見の内容を踏まえ、医療機関経営者の皆様が取るべき正しい対応について、分かりやすく解説いたします。
まず、キャンセル料に関する基本的な考え方を確認しておきましょう。
一般的に、医療機関が患者様に対してキャンセル料を請求する場合、以下の点が重要となります。
これらの基本を押さえた上で、今回の厚生労働省の通知と、それに続く訂正について見ていきましょう。
事の発端は、2026年3月27日に厚生労働省から発出された通知「「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正について」(2026年6月適用)でした。
この通知の中で、「療養の給付と直接関係ないサービス等」として、新たに「診察の患者都合によるキャンセル料」が追加されたのです。
この表記が、一部の医療機関関係者の間で、「一般的な保険診療における診察予約のキャンセル料徴収も認められるようになるのではないか」という拡大解釈を生み、現場に混乱を招くこととなりました。
こうした混乱を受け、厚生労働省は2026年5月29日、「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について」を発出し、この点を明確化しました。さらに、同日行われた上野厚生労働大臣の会見でも、この件について質疑応答がありました。
【ここが重要!】認められるのは「選定療養」における「予約料徴収医療機関」のみ
今回の疑義解釈と大臣会見で、キャンセル料の徴収が明確に認められるのは、以下の条件をすべて満たす場合であることが強調されました。
つまり、「選定療養」として「予約料」を徴収している医療機関が、その「選定療養による予約」を、患者様の都合により診察日の直前にキャンセルした場合に、キャンセル料を徴収できるようになった、ということです。
【さらに重要!】通常の保険診療では認められない
大臣会見でも、この点は繰り返し強調されました。
「そもそも予約料を取っていない場合には、キャンセル料はもちろん取ることはできません。」
これは、「選定療養」の枠組みに該当しない、通常の保険診療における診察予約のキャンセル料徴収は、今回の改定の対象外であり、認められていないことを意味します。
大臣は、当初の通知で現場に混乱を生じさせたことについて謝罪しており、今後、制度の周知に誤解が生じないよう努めると述べています。
今回の厚生労働省からの通知訂正と大臣会見の内容を踏まえ、貴院の状況に合わせて以下の点をご確認ください。
今回の厚生労働省からの通知と、それに続く疑義解釈・大臣会見により、診察予約のキャンセル料徴収に関する取り扱いは、「選定療養で予約料を徴収している医療機関が、その対象となる予約について、患者都合による直前キャンセル時に徴収できる」という、非常に限定的な内容であることが明確化されました。
通常の保険診療においては、キャンセル料の徴収は認められていない点に、改めてご留意ください。
正確な情報に基づいた対応は、患者様との信頼関係を維持し、円滑なクリニック運営を行う上で不可欠です。貴院の状況に合わせた適切な対応や、キャンセル防止策の導入、予約ポリシーの再検討などが必要な場合は、ぜひご検討ください。